見た夢の日記。

自由きまま。日常から非日常まで幅広く渡り歩く。

おそうじ

一通りの報告を終えて帰宅する。

 

時間的には昼だろうか。

 

「おかえりー」

プラチナの髪が揺らぐ。

 

「ただいま。」

 

ユリアは私が血塗れになっているのを

さして気にもとめず抱きついてきた。

 

私も抱き返す。

 

ユリアの、ユリアだけの温もりを

自然と強く感じた。

 

「今日も『殺した』のね…?」

 

「…ああ、殺した。」

 

「濃い魔素が混じった血ね…あなたが

力を取り戻すにはまだ足りないけど…」

 

「ああ、そうだね…」

 

「さーて、今日のご飯は何にする?

思ったより早く帰ってきたからまだ

何も用意してないの♡」

 

「あー、じゃあーーー」

 

「あ、やっぱりいい。

とりあえず

ポテトサラダとオムライスにでもしよっか」

 

そうだね、と簡潔に答えておく。

 

私にはたいして食の楽しみがない。

 

でも、楽しそうに料理をする

ユリアを見るのは不思議と好きだった。

 

「あれほど残虐なことをして、

平穏に暮らせるっていうのも

なかなか酷い世の中だな」

 

「そうね、でもそれは今だけよ」

 

それもそうか、と思慮に耽る。

 

 

おそうじ

手間が増えた。

 

正直、依頼にない魔物を殺したところで

報酬はない。

 

それに。

 

「人型なだけじゃない、あれは

見た目に変異が見られなかった。」

 

しかし、首を刎ねると黒い霧。

 

「…私はもう許してもらう気はない。」

 

彼らは間違いなく人間だった。

 

いや、人間でなくとも生き物なのだ。

 

それを「殺す」ことを生業とした時点で。

 

赦しなどもらえるものではない。

 

そのまま依頼にあった「親子」の

首を依頼主へ突き出す。

 

依頼主はぎょっとしていた。

なんせ、それは「人間」の

「生首」だったのだ。

 

「私は魔物を殺すように言ったが、

人間を殺すようには言ってない!」

 

そんなことを喚いていた。

 

それはそうだろう。

 

なにせ魔物が死ぬと、

崩壊を引き起こしていた魔素は消え、

 

崩壊する前の姿へ浄化されるからだ。

 

まぁ、そんなのを見せられたら

恐怖や狂気に見舞われるだろう。

 

「約束は果たした。報酬を寄越せ。」

 

契約は契約である。

 

「『何を』見てもお前は、全てを黙秘し、

契約のとおり報酬を支払う。書類にもしたためたが。」

 

「う、うるさいっ!警察に突き出してやるっ!」

 

そうなるだろう。

 

私も、同じ状況ならそうする。

 

常識的に考えれば、当然の行為だった。

 

しかし。

 

「契約に違反する者には等き死を。」

 

私達「そうじや」が所属する組織は

契約違反を許しはしない。

 

(まったく、どちらが化け物なのか。)

 

とは思ったものの、容赦なく

愛銃で依頼主の頭を「消し飛ばした」。

 

「さて、今回の案件を報告しなきゃな」

 

信用に足りない契約者は等しく

死で債務を払ってもらう。

 

そして、なにより「そうじや」が

所属する組織は国家組織なのだ。

 

もし契約違反が起きても

国が保証してくれるし、相手を

殺しても問題ないのだ。

 

無論、違反者に限るが。

 

と、ふとしたところに

置いてあった写真立てを見やった。

 

「おやおや…仲良くお幸せに。」

 

写真立てにあったのは。

 

私が殺した「魔物」と

「違反者」が笑顔で写っていた。

 

「きっと幸せだろうな、あの世で

巡り会えたんだろうから。」

 

そして私は組織へと足を運んだ。

おそうじ。

慈悲なき「殺し」を

終え、証拠として首を保管機に入れる。

 

これを仲介業者に渡せば

依頼は完了、報酬が出るというわけだ。

 

まぁ、大半は「国」からの

依頼が多い。なにせ魔物は

小型や、元が動物程度ならまだしも

人間だった場合は一般的にどの

魔物よりも強くなる傾向があるためだ。

 

それに、「国」としては、

「国民」を殺すこととも同義らしい。

 

要するに、「自分の手を汚さずに掃除したい」案件を持ち込んでくるのだ。

 

まぁおかげで儲かっているところはある。

 

「…さて、帰ろうか」

と、バイクに跨った瞬間だった。

 

後ろから走って近づいてくる音がする。

反射的にバイクの後輪で

蹴り飛ばそうとする。

 

そうしなかったのは

ソイツがほとんど「人間」の 

子供の形をしていたからだ。

 

一瞬だけ判断が揺らいでしまった。

その「子供」は泣きそうな目で

こちらを見た。

 

そして、吐き捨てた。

「人殺し」と。

 

「そうだ、私は人を殺すのが仕事だ。」

 

私はそう「断言」した。

すると子供は「お前なんて人間じゃない、

悪魔だ」と言ってきた。

 

「私はこの稼業を始めてから『人間』はやめてるよ」私は子供を嘲笑いながら言う。

 

「そう、私は『死神』だ。お前達のな」

 

そう言い切り、「魔物」の首を撥ねた。

おそうじ。

右を見る。今日も魔法で

水を沸かしている同棲者がいた。

 

日常的に魔法、科学は同棲している。

昔は「行き過ぎた科学は魔法となんら

区別がつかない」とか言っていたらしいが。

 

今となっては魔法体系を

科学的に調査、実験を重ねた結果、

混ざりものの「術式」が生まれた。

 

おかげで人類は大発展。

 

空飛ぶ車にタイムマシン。

ある意味文明の飽和が起こるようにも

思えるが、まだまだ人類は

先を行こうとしているようだ。

 

「なに?また寝転がりながら

考え事でもしてるわけ?」

 

今ではほとんどの人が

使えなくなった魔法を彼女は

使役している。

 

「んー…まぁそんなところかな…」

 

そう言いつつ体を起こす。

 

「今日もドリップコーヒーでいいかな?」

そう私に問いかけてくるのは

ユリア、という白金の見目麗しい

少女だった。

 

「ああ、お願いするよ。

あとフレンチトーストでいいかい?」

朝食の注文をする。

 

「だめだよ、今日は

鮭定食の約束でしょ?」

見事に却下された。というか

フレンチトーストよりも手が込んでるし、

毎朝大変かと思っての注文だったが。

 

「…まぁ食べられればなんでもいいしな」

 

なんて口に漏らす。

見事ユリアのお咎めが入った。

 

「またそういうこと言う!アリスは

私の手料理じゃ満足できないのかしら?」

 

「そうじゃないさ、というか

原因はわかっているくせに」

 

「はいはい、どうせ私のせいですぅーだ!」

 

んもう、とそっぽを向きながら

朝食を並べていくユリア。

 

いつも通り、2人で

朝食を共にする。

 

最も、私は味覚音痴に等しいので、

味についてはよくわからない。

 

彼女はそれをなんとかしたい、とは 

言っているが、多分今後もどうにも

ならないとは思う。

 

だから私は、食事に関しては、

というか味覚的部分においてはさほど

幸福を感じない。

 

「美味しいとか言ってくれないのかなぁ?

私さ、もうかれこれ何年も君の面倒を

見続けてるけど1回も聞かないよ?

それにこんなに頑張って!

朝!

昼!

晩!

あとおやつ!

も手作りしてるのに、なんか

張り合いがなくて困るよぉ」

 

彼女がまたごね始める。

「私も、もう何年も君の愚痴を

聞いているし、これでも

感想の1つは言おうと必死なんだけどな。

頑張って私の食事を用意させているのに

毎度申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。

だから次からはー。」

 

「だめ!絶対にだめ!

『美味しい』って言ってくれるまで!

絶対に作り続けてやる!いっそ

私が死んでも作り続けてあげるわ!」

 

まぁた始まった。

まったく、意固地なのは相変わらずだ。

 

「私から味覚を奪ったのは君だけどね…

まぁ、おかげでこうして生きていられるけどさ…」

 

私は1度、死んでいる、というか、

今目の前にいる少女に殺されている。

 

「ほんとにね、だいたい崩壊が

起こって生きていられるのが奇跡じゃないの」

 

そう、今の世の中には

おおよそ窒素89%、酸素21%の

空気構成の中に微量ながら

「魔素」が含まれている。

これにより、たいていの人は

術式を利用できるのだが。

 

実をいえば、これは毒素なのだ。

濃い場所に行ってしまったりすると、

体の構成組織の崩壊、改変が起こり、

魔物という怪物に姿を変えてしまうのだ。

 

私はもともと、魔物に変わってしまった

生物を殺し回る「掃除屋」だった。

 

人間も、崩壊が起こるとほぼ例外なく

魔物になる。だからといって、

いくら怪物となろうともその精神や

思考は崩壊が起こる前とさほど変わらないが。

 

まぁ、ともかく。

 

崩壊が起こった私の体を焼き払い、

錬成したのが目の前のユリアだ。

 

その後遺症で、もともと

私には扱えなかった、魔法が

少しばかり扱えるのと、味覚を失った。

 

というわけなのである。

 

ちなみに、魔物がもとは

生物、ないし人間だったモノという

事実は伏せられている。

 

その代わり、魔法使い達が

魔法を扱えない者を排除するために

生み出した物体として扱われている。

 

おかげで、数年前には

魔女狩りが行われたくらいだ。

 

どうも人間は、大きな力を

恐れて排除しようという傾向があるらしい。

 

ユリアも魔女狩りの時は大変な

思いをしたらしい。

 

そうこう考えているうちに、

朝食を食べ終えた。

 

最後に1杯のコーヒーを飲み干す。

これが私の朝の日課になっている。

 

そして、今日も掃除屋の

仕事に走り回るのだ。

 

ちなみに、先ほどの続きだが、

魔女狩りはもう行われていない。

そんなことをしている暇がないくらいに

魔物が溢れかえってしまったからだ。

 

今は魔女の存在は黙認されているといえる。

 

「身支度も済んだね、じゃあ

気を付けて行ってらっしゃい♡」

 

「うん、行ってくるよ。」

 

いつも通り、黒いコートを羽織る。

 

魔物を殺さなければならない、

ということはほぼ間違いなく抵抗されるし、

結果殺し合いになることが大半だ。

 

なのでこのコートは耐衝撃性、

耐切断性、耐貫通性に非常に

優れている材質で出来ている。

 

そして、愛用のバイクに跨り、

魔物出現ポイントまで移動する。

 

ちなみにバイクは時速

300km近くは出る。

なるべく足は速い方がいい。

 

もちろん、自分が操縦できる

範囲で、だが。

 

5分と経たずに目的地に到達した。

バイクを安全な場所に止め、

 

周囲を散策する。

ふと、気配を感じ、後ろを向くと、

何かが飛びかかってきていた。

 

迷わず回し蹴りを叩き込む。

 

物体は木にぶつかり、そのまま

地に臥す。だが、何かがおかしい。

依頼に上がっていた相手はこんな

「小型」では無かったはずだ。

 

「うぅ…おカあさン…いタいよぉ…」

 

…なるほど。

 

そして、私は空に握りこぶしを作る。

 

すると、手の中には私の背丈ほどの

長さの幅広の剣が握られていた。

銀に輝くそれは、柄にこれまた

刃の幅ほどの玉が嵌められていた。

 

深い青の中に、煌めく星々が見える。

 

私はその剣で、容赦なく

「小型」の足を叩き切る。

 

おびただしい量の血が流れ、

黒い霧が立ち上る。

 

この黒い霧が魔素だ。

可視できるほどに濃い。

 

「うガあああアア!!!!!!!いダイイイイ!!!!!!!」

 

小型は半ば狂ったように叫ぶ。

 

可哀想、といえばそうかもしれない。

なにせ、元は年端もいかない

子供だと分かるほどだ。

 

だが、容赦するわけにはいかない。

私は「仕事」で来ている。

魔物の血にまみれる「仕事」に。

 

それにしても、とても大きい声で

泣き叫んでいる。これなら…

 

「…きた。」

 

ズシン、と大きい足音を立てて

近づいてくる。どうやら走っているらしい。

 

それもそうか、「自分の子」を

痛めつけられているのだから。

 

「ワタしのこになにスるのおおおお!!!」

 

顔が狂気に満ちた怒りを表していた。

今にも、自分を殺そうとしている。

 

その目の前で。

この「大型」の「子供だったもの」の

首を切り飛ばした。

 

「大型」は目の前に起こった惨劇を

受け止めるのに時間がかかっていた。

 

その隙に大型に思い切り接近する。

 

自分の得物の射程に入った位置で

思いっきり立ち止まり、勢いを活かして

切り上げる。

 

さすがに20mは離れていたが、

術式で自分の脚力を強化し、

速度を上げていた。

 

まさしく、急接近、といったところだ。

 

さらには、脚力の強化を

立ち止まった瞬間に腕に移転し、

威力に転換した。

 

この「大型」もこれには

ひとたまりもないだろうし、

できることならこのまま息絶えてほしい。

 

しかし、それは叶わぬ夢らしい。

 

大型はそれはもう大声で

吼え、暴れ回った。

 

痛みに悶絶している、ということは

何となく分かった。ただ、暴れ回る

おかげで、狙いが定まらない。

 

仕方が無いので、

魔法で大型の手足を凍らせた。

 

もはや何が起きているのか

わからない、という顔をしている。

 

痛み、苦しみ、絶望しているのが

伺えた。そんな「彼女」の首を

容赦なく撥ねた。

 

元が人だろうがなんだろうが

殺す。

 

それが私のー

 掃除屋の仕事だ。

 

憂いの蝶

今日もまたふらりと

夜の街を歩く。

 

いったい自分は何のために

生きているのかと思う。

 

でも生きなければ…と

思うので生きている。

 

死んだような目をしながら。

 

大人を相手に体を売っている。

 

今日は「お姉さん」を相手に、

また性的趣向を満たしてあげる。

 

その代わり、泊めて、世話してもらう。

 

そんな日々がもう何日続くだろう。

 

「はぁ、旦那が単身赴任ばっかで

相手してくれないって俺に言われてもなぁ」

 

そんなことをボヤきながらその

「お姉さん」の家に向かう。

 

なぜ、自分がこんな生活をしているかと

言うと、率直に言えば大切な人が

死んだからだった。

 

あの日は酷かった。

自分の恋人は自己管理が

甘かった。危なっかしいし

いつも注意していた。

 

それなのに、夜中にコンビニまで

出歩いたらしい。

 

そのおかげで帰り道に

誘拐され、レイプされた。

 

犯人は捕まっている。

もともとSNSで個人情報を

公開していた彼女はストーカーされ、

挙句レイプされ、耐えきれず

自殺してしまったのだ。

 

俺にとっては彼女がすべてと言っても

過言ではなかったし、絶望もした。

俺も自殺しようとした。

 

何年も大切にしてきた彼女が

他の男に襲われ、自殺した。

 

この事実だけでも俺は

哀しみ、絶望を感じていた。

 

しかしながら、俺には死ぬ勇気が

なかった。微塵もだ。

 

だから家出した。

そのまま野垂れ死にするつもりで。

 

だが、それは赦されないことらしい。

街をふらついていると

「お姉さん」に目をつけられた。

 

「泊めてあげるから慰めて」と。

俺はもう心も壊れかけていたし、

 

半ばどうでもよかった。

もういっそ殺してほしいくらいだったのだ。

 

だから、「お姉さん」達を何人抱いても、

俺は何とも思わなかった。

 

俺は「お姉さん」方の快楽製造機に

なったのである。

 

 

そんなこんなで、今日も

「お姉さん」の家に出向いている。

もう何人目かもわからない。

 

「こんにちは」

チャイムを鳴らすのも夜中なので

はばかられる。スマホ

電話をかける。

 

「あらいらっしゃい」

そう言ってドアから顔を見せたのは…

 

彼女そっくりな女の人だった。

「…」流石に黙り込んでしまった。

 

なにせ自分のトラウマである

彼女と瓜二つだからだ。

 

俺は思わず「彼女」の名前を

口にしてしまった。

 

すると「お姉さん」は目を丸くして

こう言ったのである。

 

「妹のこと…?」と。

 

そう。この人は「彼女」の

「お姉さん」だったのである。

 

 

 

さすがにそのまま商売、というわけにも

いかず、2人でリビングに座りお茶を

いただく。

 

「いや、驚きました。

彼女から年の離れた姉がいるとは

聞いていましたが…」

 

そういうと、「お姉さん」は

少し俯き、でも心のうちを

隠すような笑みを浮かべながら、

 

「…えぇ、私もよ、あの子に彼氏が

いるのは知っていたけど…」

 

「お姉さん」が実家から離れて

ほどなくして事は起こったらしい。

 

そういえば、葬儀に呼んでもらった時に

見た気がする。

 

「…なんか、ちょっと心苦しいですね、

いくら商売といえども、彼女の、

姉を相手にするのは…なんというか…」

 

「わかるよ…それに君、さっきから

なんだか泣きそうな顔してるもの…

きっとあの子のこと思い出してるんでしょ」

 

俺はそんな顔してたのかと内心驚きながら

「ええ…ほんとに、俺はあの時

生きる希望を失いましたからね…」

 

そういうと、お姉さんは嬉しそうに

微笑みながら、

「あの子も、もう何ヶ月も経つのにまだ

思ってもらえて喜んでるわ…私なら、

喜ぶわ。間違いなくね」

 

「そうですか…しかし

護ってあげられなくて、ほんとに

後悔しか残ってないです…」

 

「大丈夫、そんなこと気にしなくても…

でも、最愛の人を失ったあなたの

心はきっと誰にも埋められないものね、

ごめんなさい…」

 

彼女と同じように表情が豊かで、

それでも大人っぽさがあった。

 

「いえ、気にしないでください。

少しずつ、受け入れることにします」

 

嘘だった。が、泣き叫んでも

後悔しても、彼女が戻らないのは

事実だった。

 

「それじゃあ、俺はこれでー」

と、帰ろうと矢先、

「お姉さん」は俺の腕をつかんだ。

 

「だめ、これからしばらく

泊まっていってくれない?」

 

俺は困惑した。

 

いくらなんでも彼女と

瓜二つの「お姉さん」を抱くわけにも

いかなかった。

 

「私のこと、あの子だと思っていいから、

お願い…したいようにしていいから…ね…?」

 

俺は拒んだ。あなたは彼女ではないと。

しかし「お姉さん」に俺を

帰す気はないらしい。

 

どうしても抱いて、体の疼きを

止めてほしかったようだ。

 

 

 

 

※この物語はフィクションですので、

実在の人物、団体名等は関係ありません。

 

 

私は神である。

私は自分を神だと信じてやまない。

 

頭がおかしい、とか

こいつ何言ってんだ、と思う人は

きっと最後まで話を聞かないか

一般世間に毒され、答えさえ

知ることが出来ればいい、とか

教えてもらったことを信じ込む人

なのかもしれない。

 

まぁ、その反応が

間違っているわけではけしてない、

だが、「正しい」と思ってはいけない。

いや「正しい」と思うべきか?

どちらでもいいことだが、周りの人の

言うことをデタラメかどうかを

深く考えず、「みんな同じ意見だから」

「テレビで言っていたから」

「専門家が言っていたから」と

信じてはいけない。

 

確かにわからなければ物事の

プロに聞けとはよく言うし、テレビでも

よく「専門家」を名乗る人に意見は聞くが。

 

正直言えば、たいへんうんざりするが。

「専門家」は金のために意見するのである。

 

だから、とりあえず鵜呑みにはしない方が

よい。何事にも通じる話であるが。

 

それはともかく、なぜ

私が自身を神と信じてやまないかを

話さなければならない。

退屈な話をしてしまったし、

それでもこの夢日記をここまで

読み進めている君のために、

私は少しばかりまたつまらない

話をしなければならない。

 

まこと申し訳ない。

 

私が自身を神だと考える理由は

単純に

「私が世界を観測している」からである。

 

 

…理解出来なかったろう?

それでいい。君は未だ一般世間に

捨てられていないと言うことだ。

胸を張るといい。

 

それはともかく、なぜそのような

理由かというと、私が見ていない

または知りえないことは私が知るまで

「存在しない」ものになる。

 

いや、存在するだろ、とか

思った君、私はそういう

「一般世間」や「常識」について

話をしている訳じゃないということを

わかっていない。君はきっと

私の考えを受け入れはせずに

一般世間に溶け込むつまらない

人間なのだろう。

 

とりあえず、常識や一般世間は

無視だし、これはあくまで

「私の中で」の話だ。

 

なので馬鹿にしたければ馬鹿に

して時間を無駄に過ごすといい。

 

私1人に意見する時間よりも

もっと優先すべきことに時間は

割り当てるべきだと思うが。

 

ことはつまり、私の中で世界が

構築されるものであれば、

私の知りえないもの、

見たことがないものに関しては

「存在しない」と言いきれるのである。

 

その代わり、私が知る、見るの

どちらかでその物事を認識した場合は

「存在する」ことになる。

つまるところ、「私の中で、私は神」

ということである。

 

ここまで読んで、まだ

「いやお前は神じゃないだろ」とか

思う人がいるかもしれない。

なので付け加え最後に言っておくが

あくまで私の中だけの話だ。

 

君達の神になったつもりはないし、

崇拝される気もさらさらない、とだけ

書き残しておく。

 

響く。

おしゃべり、という歌を

奏でることを知った私は

黒猫に色々なことを話しかけた。

 

無論猫なので返事はにゃあ、とかだし

もっといえば返事すらないこともある。

 

だが私にはそれでよかった。

「音」の返事はなくとも、

擦り寄ったり、目を見つめてきたり。

そこはかとないコミュニケーションは

とれているのだから。

 

暖かな日差しが降り注ぐ

庭園でうとうと心地よく微睡みながら、

猫と私は触れ合ったり、言葉を並べて

二つの音を響かせていた。