2017-04-04 響く。 おしゃべり、という歌を 奏でることを知った私は 黒猫に色々なことを話しかけた。 無論猫なので返事はにゃあ、とかだし もっといえば返事すらないこともある。 だが私にはそれでよかった。 「音」の返事はなくとも、 擦り寄ったり、目を見つめてきたり。 そこはかとないコミュニケーションは とれているのだから。 暖かな日差しが降り注ぐ 庭園でうとうと心地よく微睡みながら、 猫と私は触れ合ったり、言葉を並べて 二つの音を響かせていた。