2017-07-07 おそうじ そんな会話をしつつ、 彼女の手料理を口にする。 無論、味などない。 いや、あっても感じることなどできない。 食感だけの、美味しいとも 不味いとも思えない食事。 ユリアは大きな瞳で私の 動向を見ている。が、 結局は瞼を伏してしまう。 「んー…今回もだめかぁ」 「…ごめん」 「いいよいいよ、食べてくれない わけじゃないし、栄養バランスは キッチリだからね!」 「相変わらず世話焼きだね、ユリアは。」 にへっと笑うユリア。 今の世の中だからこそ、 私達はこんなにも 平穏に暮らせるのである。